GiFT Monologue-3「コーチとしての課題意識」

2年ほど前に、著名な外資系経営コンサルティングファームの経営陣4名に対して、それぞれエグゼクティブ・コーチングを実施していた時期がありました。いずれも素晴らしいキャリアと実績を持つ方々でした。いろいろに歯切れよく端的に答えてくださる彼らでしたが、苦手とする傾向の質問がありました。それは「あなたは、本当は何をしたいのですか?」「あなたは経営コンサルタントとして、社会にどう貢献したいのですか?」という質問です。当時の彼らの回答を煎じ詰めると「クライアントの価値を最大化すること」「クライアントの業績に貢献すること」ということに尽きるのですが…、では「何のために?」と質問を続けると、多くは答えに窮するのです。

“基準”が、「自分の想いや社会への理想」ではなく、「相手や市場のニーズを満たすこと、あるいはクライアントの期待に応えること」にある。

どちらも大切なのでしょうが、実は、コーチングも似たところがあります。例えば、コーチングの目的やコーチとしてのミッションは「クライアントの目標達成を支援する、業績に貢献する、夢の実現を応援するetc」と思われています。では、それは何のためなのか。目の前の人や組織をサポートすることによって、あなたはコーチとして、社会を、世界を、自然を、地球をどうしたいのか。そこに向けてミッションを定めたとき、あなたのコーチングはいったいどういうものになるのか。

GiFTパートナーズのクライアントは、大半がベンチャー企業の経営者です。表現の違いはあれど、彼らは社会課題の解決をミッションに掲げてビジネスをしています。21世紀はそういう時代です。では、GiFTパートナーズがコーチングを通して解決したい社会課題は何なのか。「コーチングの主役は、あくまでも相手」としながらも、自らの果たすべき社会的なミッションをどう掲げ、コーチングを通して、そのミッションをどう生きるのか。毎回のセッションは、問いや言葉が自分に向かってくる時間でもあります。