GiFT monologue-9「コーチングのセッションで行われていること」

コーチング・セッションではいったい何が行われているのか。実は、プロフェッショナル・コーチングの会社の中でも、あるいはコーチ仲間同士でもブラックボックスだったりします。最大の理由は、クライアントの守秘義務契約があること、もう一つは、そのコーチなりのノウハウを守りたいからなのかもしれません。

行動フォーカスのコーチングの場合、電話やスカイプで30分程度のセッションで十分です。「前回のセッションで約束した行動をやったか、やらなかったのか」を確認する。「やったとしたら、結果はどうだったか。うまく行ったのか、行かなかったのか。それぞれの理由は何か。その結果に満足はしているのか。満足していないなら、それはなぜか。次はどうするか」「もし、やらなかったのであれば、その理由は何か。行動をブロックしているものは何か。本当のところで、行動を起こさなかった理由はどこにあるのか。それは、どう取り除けるのか。では、次はどうするのか。必ず行動を起こすために、どんな準備ができるか」を共に探っていきます。

コーチは質問を通して、クライアントのモノの見方を変えながら、状況を自責でとらえることができるように対話を深めていきます。

しかし、在り方フォーカスのコーチングの場合は、また少し異なります。直接相対して行うことが多いかもしれません。コーチのスタイルによっては、いろいろなツールを紹介して、そのワークを一緒にやったり、アセスメントをします。その結果を共有しながらコーチングを進めるのです。ホワイトボードを活用しながら、一緒に絵を描くように進めるケースもあります。

GiFTパートナーズの場合は、相対するスタイルですが、上記とはまた違って、行うのは対話のみです。ツールを使うことはまずありません。扱うのはツールではなく自分自身です。セッションは「自分が、自分自身をテーマに話す、自分のための時間」なのです。クライアントがその時々に気になるテーマや課題を話して頂いて、そこからセッションが進んでいきます。

クライアントは、立ち止まって、自分自身と向き合い、起きている事象を掘り下げていきます。コーチは、そのためのスペースを提供します。クライアントは語る・話す、コーチは聴く、問う、沈黙する、フィードバックするetc。そのプロセスで、クライアントは自分の中に、状況を異なるアングルで見ることのできる余地の存在に気づき、状況を打開する新しい選択肢の発見と、確信をもった意思決定とに繋げていきます。そのために必要な時間が、だいたい90分間から、長いときで4時間ぐらい。成果は目に見えない対話の中にあるので、セッションの後に、セッションの会話を客観的に見れるように丁寧なログを送るようにしています。