私は、ベンチャー企業の経営者向け1on1コーチングとは別に、GiFT(グローバル教育推進プロジェクト/http://j-gift.org/)という団体を通して、小学生から大学生までの若い世代を主な対象にしたグローバル・シチズンシップ教育の仕事をしています。対象が経営者と若い世代とでは、全く違う種類の仕事のように感じるかもしれませんが、この2つには通じるものがあります。
一つは、両対象とも主語を「私」で語る人たちということです。つまり、「I」を主語に人生を切り開く人たち、I wantで物事を語る人たちです。「I」を主語に語る人と一緒にする仕事は、いつもダイナミックです。ところが、日本では高校や大学を卒業して“社会人”になると、多くは「わが社」「うちの会社」あるいは「私ども」で物事を語るようになります。その良い側面としては、自己本位の小さな基準を越えて、“組織基準”、あるいは“顧客・マーケット基準”で仕事をする責任感に繋がります。ところが、行き過ぎると、長い社会人生活の中で「I」を失っていきます。自分は何者なのか、本当は何をしたいのか、見えなくなってくるのです。
もう一つは、両者共に、時代の先端を生きているということです。経営者は、会社を成長させるために常に時代の最先端の情報や関係性の中を生きようとしています。では、中高生や大学生はどうでしょうか。当たり前のことを言うようですが、次の時代を担うのは彼らです。彼らの行動や感性が次のマーケット、次の組織、次の社会、次の世界、つまり未来を作るのです。柔らかい感性で、“現在(いま)という時代の空気”を存分に吸って生きている彼らの価値観、言動に触れることは、未来からの風に吹かれることなのです。
仕事を通して2つの対象に直接触れる機会を頂けていることに、ただただ感謝です。