GiFT monologue-27「非営利組織 / NPO(Non-Profit Organization)へのコーチング」

GiFT partnersのクライアントには、実は、民間企業の経営者だけでなく、日本を代表する非営利組織の事務局長をされている方もいます。もう2年のお付き合いになりますが、営利目的の企業はもちろん、ソーシャル・インパクトを目的とした社会的企業とも異なるその視点や問題意識には、いつもこちらが学ばせて頂いています。
 
例えば、セッションの中で常にダイアログの基調にあるのは「NPOは、なぜ社会に必要なのか?」という問いです。
 
「NPOの本来的・本質的な社会的意義とは何か?」
「国や企業(あるいは社会的企業)がカバーできない領域は何か?」
「ソーシャル・アントレプレナーとNPOに関わる人では何が違うのか?」
 
それらを深めていくと、税金やビジネス・フレームではカバーできない領域の広さに気づかされ、“課題化して解決する”ではない世界の存在を知るのです。“解決する”のではない問題の存在です。
 
対話のプロセスでは、しばしば「市民」というキーワードが登場します。すると、「(NPOの言う)“市民”とは何なのか」という問いが生まれます。
 
「“市民”と国民は何が違うのか?」
「“市民”のつくる社会(市民社会)とは、いったいどういうものなのか?今の社会と何が違うのか?」
 
これらは、ビジネスの世界のみで生きていると、あまり深く考えないことかもしれません。
 
「NPOの経営をどう成り立たせていくのか」「財源をどうするのか」ということも、非常に重要なテーマです。
 
理想は、組織の継続性を担保するために「寄付金」「会費」「補助金・助成金」「委託事業」「自主事業」などのバランスをとることが大事とされているのですが…、
 
当然のことながら、それらの一つ一つを獲得するにも、それぞれに深い知見と営業・事務センス、経営・マーケティング感覚が問われます。話を聞いている限りでは、NPOの現場での財源確保の取り組みは民間企業よりも多岐にわたっているのではないか、と思うほどです。
 
今は、民間企業でも社会性、社会的な存在意義が強く問われる時代です。100年以上続く長寿企業は須らくそういうミッションを掲げ、行動しています。私が関わっているベンチャー企業の経営者の哲学や行動にも、同じものを感じます。
 

営利組織においても非営利組織においても、「起点」となる“使命(ミッション)・目的”が重なる時代であれば、その「結果」を測る尺度も重なるのが自然なのかもしれません。では、その到達度を測る尺度とはいったい何なのでしょうか。

果たして、“Profit(プロフィット)”なのか。その“Profit(プロフィット)”の意味するものは何か。“Profit(プロフィット)”ではなく、“Benefit(ベネフィット)”ではないのか。では、それは具体的に何で、どう測るのか。

 
問いは果てしなく続くのです。