GiFT-monologue-29「価値観とビジョンを構築する」

GiFT partnersでは、「価値観とビジョンの構築」と、それを軸にした「組織変革」をテーマにコーチングを依頼されるケースが多いです。

これは「組織経営」と呼ばれる分野です。価値観やビジョンに関しては、たくさんの書籍が出ているので、自分が理解しやすい定義やアプローチをとるのが良いと思います。

私の場合は、以前、勤めていた経営コンサルティングファームは、この分野を専門にする日本の草分け的な存在でした。私の理解は、そこでの経験がベースになっています。



・「価値観」には、大きく3つが含まれます。
①ミッション・使命(その会社が社会に存在する意義・目的は何か
②経営理念(何を大切に経営をするのか)
③行動指針(そこで働く人たちは何を大切に行動するのか)

「価値観」を明確するためのコーチングは、経営者自身の価値観、大切に思うこと、生きざま、人生、なぜ経営者を志したのか、を徹底的に深耕していくことになります。

・「ビジョン」は5年から10年先の長期的な目標を、映像のように文章で表現したものです。

「ビジョン」を明確化するためのコーチングは、自分のワクワクする未来を、見たい世界を、多様なアングルから映像を描くように語らい、油絵を描くように、何度も何度も、毎回毎回、塗り重ねていくことになります。

ちなみに、「ビジョン」を便宜上、
“長期的な目標”と表現しましたが、本来、「目標」はビジョンに比べて短期的で、より具体的で、達成度が分かる指標で表されることが多いです。言い換えると、「目標」は「ビジョン」の実現に向けたマイルストーンです。そういう性質もあって、ビジョンは“実現”ですが、目標は“達成”と使い分けたりします。

もう少しだけ、「価値観」と「ビジョン」の違い、関連を具体的に書きます。

「価値観」の中にあるミッション・使命は、起点であり、出発点にある想いです。
「ビジョン」は、目線のはるか遠くに見える行先で
す。

語弊を恐れずに言えば、ミッション・使命は期限も、実現されることもありません。その実現性を果てしなく向上させていくことができるだけです。その一方で、「ビジョン」には期限があります。「10年後のビジョン」というような言い方をします。そして、理屈の上では、そのビジョンは10年後に実現度を評価できます。

掲げた「ビジョン」の実現に向けて、起点となる想い・使命と大切にしたい考え方や行動の指針を表したものが「価値観」です。ビジョン実現のためには、何をやってもいいということではないからです。

「価値観」も「ビジョン」どちらも大切ですが、上記の考え方でいうと、半永久的に大切にすべきものを述べた「価値観」こそが、経営者の志や想いを表現したものであり、社員の共感のコアにあるもので、会社そのものです。「ビジョン」のように5年、10年スパンで描く、という性格のものではなく、表現の修正はあれど、その本質は時代を越えて大切にすべきものなのです。