自分の情熱の在り処を確認するGlobal Learning Journey

フィリピンのセブ島で、製薬会社の皆さんと4泊5日のGlobal Learning Journeyをしてきた。養護施設の子供たちに、SDGsの本質であるLeave No One Behindの大切さを伝えるワークショップを開発し、子供たちに実施するというテーマだった。セブの街を訪れ、スラムを訪れ、養護施設を訪れ、多様なステークホールダーとダイアログを重ねた。日本人は養護施設出身の青年とチームを組んでテーマに挑む。使用言語は英語だ。濃密な時間の中で、一気にお互いの人生に触れて、共感が生まれていく。涙と笑顔があふれる素晴らしい場だった。
 
今年で6回目を迎えたGlobal Learning Journeyは、人事部と労働組合のコラボで行っている海外研修で、あらゆる職位・階層の人たちが自ら手を挙げて応募をしてくる。毎回、ものすごい変容が起きて、参加者の満足度も高く、会社からは高評価を頂いている。
 
個人的には、経営者ほど、重要なポジションについている人ほど、仕事を離れて、自分の想いと繋がる時間を持つのがいいと感じている。できたら、“非日常感”のある途上国で、learning journeyをするのがいいと思っている。

   
株主やマーケットや顧客のニーズやリクエストに猛スピードで、効率的&効果的に応える日々を通して、“他者”の基準をテコにして“自分”を超えることで、我々は自らを鍛え、一人前のプロフェッショナルに成長していくようなところがある。しかし、悲しいことに、多くの人はそのことと引き換えに“自分”を見失っていく。“他者”のニーズに応え続けることによって、知らず知らずのうちに自分のニーズや想いや気持ちに蓋をしていく。経営者と言えども、そこのプレッシャーから自由でいることは難しい。
  
儲かるだけでは、モチベーションが続かない。自分の想いとダイレクトに繋がらない事業には、意義を感じにくい。もっとシンプルに言えば、自分の気持ちが入っていない事業にはノレない。ステークホールダーも巻き込めない。行きたい場所や見たい世界はある。でも、そこへ辿り着くための正確な地図はない。そんな時代に、自分の想いこそが旅の出発点・起点になるはずなのに…、そこを見失う。だから、「そもそも、なぜ?」という質問にパワフルに応えられない。
 
ヴァスコ・ダ・ガマやコロンブスの時代にも、正確な地図なんてなかった。でも、彼らは、自らが挑む航海の「なぜ」という問いには、明確に応えられたはずだ。
  
日常を離れ、非日常の時間と空間を過ごし、自分の感情の揺れと向き合う。そこから見えてきたことを仲間と分かち合う。分かち合うことで、他人の感情はもちろん、自分の感情にも触れる。そのプロセスを深く共有することで、お互いの芯が見えてくる。真の自分が見えてくる。すると…、“あり方”が変わる。経営者としての成長とは、そう言うことなのだろうと思う。
  
一人では分かち合いが起こらない。だから、こういうLearning Journeyを、GiFT partnersのクライアントを中心に経営者6-7人でしたい。
それが2020年の目標です。